いつものお米がびっくりするほど美味しく炊ける基本と裏技
毎日食べているいつものお米でも、炊き方にちょっとひと手間をかけただけで、味はびっくりするほど変わります。炊飯器派の人も、土鍋派の人も、まずは炊き方の基本を見直してみてはいかがでしょう。
米と水の量の基本をおさらい!
ふだんは計量カップと炊飯器の目盛りだけをたよりに炊いてしまうお米ですが、おいしいごはんを炊くために必要な米と水の量を復習しておきましょう。
まず基本中の基本はコレ。通常料理で使う計量カップは200ccですがお米を量るカップは1合=180ccなので、間違えないようにしましょう。
お米1合=180ml(180cc)=150g
炊飯器の場合は、付属の計量カップと、釜の内側の目盛りを利用すれば失敗はありませんが、無洗米の場合などは、白米と同じ1合のカップで計量するとカサが変わるため誤差が出ることがあるので、重さを量ったほうが正確です。
※炊飯器によっては無洗米用の計量カップがついている場合もあります。その場合はカップで計量しても問題ありません。
水加減の基本は、浸水前の米の容量の約1.2倍(2割増し)です。
お米が研ぎ上がったら、しっかりと水を切ってから以下の分量の水を入れてください。
お米 1合=180 cc 水 210cc
2合=360 cc 水 420cc
3合=540 cc 水 630cc
ただし、炊飯に使う鍋、季節、炊く分量、米の状態によって水の分量には違いが出ます。
水分が蒸発しやすい鍋だと水がやや多めに必要になり、白米は米自体に水分が多いので
少し控えたほうがいい場合もあります。
お米に合う水の選び方
塩素によるカルキ臭が強い水道水よりも、なるべく浄水器を通した水か、ミネラルウオーターを使ったほうがおいしく炊きあがります。もちろん水道水でも汲み置きしたものや、沸騰させて冷ましたもの、備長炭などを入れてカルキ臭を取り除いたものでもかまいません。
とくに最初にお米に触れる水が、乾いた米にもっとも多く吸収されるため、少なくともお米を研ぐ最初の水だけはミネラルウオーターなどを使うことをおすすめします。ミネラルウオーターは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多い硬水よりも、硬度が低い「軟水」がおすすめです。
なお、硬度が60以下のものを一般的に軟水と呼び、日本産のミネラルウオーターはほとんどが軟水です。輸入ものでも、ヴォルビック(硬度60)、クリスタルガイザー(硬度38)は軟水ですが、エビアンは硬水(硬度304)、ゲロルシュタイナー、コントレックスは硬度がそれぞれ1302、1468という超硬水です。硬水で炊くと日本のお米の甘さなどが生かされません。
お米の研ぎ方
お米を研ぐ目的は、まざっているゴミや表面の糠などをを取り除くこと。まず水をひたひた程度まで加え、ざっと混ぜたら最初の水はすぐに捨てます。ここでもたもたすると糠くささが残ります。あとは、水をためてぐるぐるかき回して水を捨てる、を3-4回繰り返せばOK。米粒を割らないようにやさしく研いでください。水が透明になるまで水を変えて研ぐ必要はありません。
浸水の時間
研いだ米は水にひたしておきます。夏は30分、冬は1時間以上。半透明だったお米が真っ白になったらOKです。このときの水も、理想的には浄水器を通したものかミネラルウォーターで。長くても浸水は2時間程度で止めます。それ以上放置しておくと米がもろくなって炊飯中割れやすくなり、おいしく炊きあがりません。
初めてでも失敗しない土鍋ごはんの炊き方
ここまでのポイントを注意して準備すれば、炊飯器で炊くだけで、いつも以上に美味しいごはんが炊けること請け合い。家庭用の炊飯器は日本の家電技術の粋を集めた調理器具と言っても過言ではありません。
けれど今回はぜひ土鍋に挑戦してみてください。
土鍋は鍋料理に使う普通の鍋でかまいません。多少火加減のコツが必要ですが、慣れてしまえば「これが一番美味しい」という人が非常に多いのが土鍋。粘りが強く、最後に香ばしい「おこげ」が楽しめるのも、うれしいポイントです。慣れるまでは吹きこぼれたり、焦げ過ぎたり、中に芯が残ったり、という失敗もあるでしょうが、もっちりとした食感や甘みのある粘りを感じられるのは土鍋ならでは!
では、手順を簡単に説明します。
普通の土鍋の場合、たくさん炊きすぎると吹きこぼれやすいので、
容量の半分程度までで炊き上がる分量が最適です。
【材料】
米 2合/水 400~450cc
【作り方】
- 米を研ぐ
- ザルでしっかり水を切ってから、炊くための水を入れる
- 30分~1時間浸水させる
- 中火にかけて沸騰するまでそのままに
- 沸騰したら弱火に落として15分炊く
- 開けてみて表面の水気がなくなっていたら、一度火を中火に上げて10秒
※おこげを作りたい場合は30秒加熱- 火を止めてふたをしたまま10分蒸らす
- 蓋をとってしゃもじでざっと混ぜ水分を飛ばす
最近は最初から最後まで中火のままで吹きこぼれないよう形状を工夫したものや、内蓋がついた炊飯専用土鍋なども出ています。小型の土鍋なら、鍋ごと電子レンジで温め直しも可能です。
※吹きこぼれないおすすめ土鍋
・みすずのごはん鍋 (丸型、内蓋なし)
・かまどさん (内蓋あり)
無水鍋、圧力鍋、ゆきひら鍋、ほうろう鍋、多層鍋など、どんな鍋でもご飯はおいしく炊けます!
基本的には「米に浸水させる」「強火で沸騰するまで」「その後弱火」「最後に蒸らす」の手順は変わりません。
<ほんとうに美味しい「ごはん」の研究 Part 4>
知って食べればもっとおいしい――お米の雑学