心に咲く花 20回 月下美人
天(あめ)の工(たくみ)の きはみのはてに ありといふ 月下美人の 白ただならず― 鹿児島寿蔵 【現代訳】 天の職人の極みの果てにつくられたような、すばらしい月下美人の花。この類まれな白をもつ花は決してただものではござい…
天(あめ)の工(たくみ)の きはみのはてに ありといふ 月下美人の 白ただならず― 鹿児島寿蔵 【現代訳】 天の職人の極みの果てにつくられたような、すばらしい月下美人の花。この類まれな白をもつ花は決してただものではござい…
花きよき 列島まもり 逝きたりと 嘆けば炎(も)ゆる 緋(ひ)の仏桑花― 安永蕗子 【現代訳】 花々が清らかに咲くこのすばらしい国を護って亡くなったのだと戦没者を嘆き偲べば、赤々と燃え立つようにハイビスカスが咲いている。…
君来ずば 誰に見せまし 我が宿の 垣根に咲ける 朝顔の花― 詠み人しらず 【現代訳】 あなたが来なければ、どなたにお見せすればいいのでしょう。 わが宿の垣根に咲いているこのすばらしい朝顔の花を。 心に咲く花 2019年1…
岩つつじ 折りもてぞ見る 背子(せこ)が着し 紅(くれない)染めの 色に似たれば― 和泉式部 【現代訳】 岩つつじの花をそっと手折り、しみじみと眺めます。 愛しいあのかたがお召しになられていた紅染めの衣の色に似ておりまし…
唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来(き)ぬる 旅をしぞ思ふ― 在原業平 【現代訳】 (何度も来てなじんだ)唐衣のように、(長年慣れ親しんだ)妻が(都に)いるので、(その妻を残したまま)はるばる来てしまった旅(…
白木蓮の 卵いよいよ 膨らみて 大地の祭り 始まらんとす― 松村由利子 【現代訳】 まるで卵に喩えたくなるような白さまぶしい白木蓮の花が咲くと、春が到来し、大地のお祭りが始まろうとしている。 心に咲く花 2019年15回…
はてもなく 菜の花つづく 宵月夜 母が生まれし 国美しき― 与謝野晶子 【現代訳】 菜の花の黄色が大地を彩るように咲いている。まるで果てがないと思われるほど、あたり一面に。 母が生まれた国は美しいなあと、あらためて思う夕…
河上の つらつら椿 つらつらに 見れども飽かず 巨勢(こせ)の春野は― 春日蔵首老(かすがのくらびとおゆ) 【現代訳】 川辺に咲く椿をいくら見ても飽きることがないほど、巨勢野の早春は美しく、すばらしいものだなあ。 心に咲…
家に街に、花と緑があふれている、 そんな心豊かな暮らしを届けたい。 今回の対談のゲストは、東京都練馬区でガーデンセンター「オザキフラワーパーク」を経営する尾崎明弘さん。 まるで植物園かと見まがう広大な店内には、花はもちろ…
白鳥が 生みたるものの ここちして 朝夕めづる 水仙の花― 与謝野晶子 【現代訳】 寒のさなかに咲く水仙はまるで白鳥が生んだような思いになる花です。 朝にも夕暮れにも愛でたくなるすばらしい水仙の花。 心に咲く花 2019…