心に咲く花 6回 つゆ草
道ばたの 空地に群るる つゆ草の 澄みたる藍は 草にまぎれず ― 芹澤たみ 【現代訳】 道端の空地に藍色のつゆ草が群れるように咲いています。 澄みわたった美しいつゆ草の藍色。小さな花ではあっても決して草に紛れることなく、…
道ばたの 空地に群るる つゆ草の 澄みたる藍は 草にまぎれず ― 芹澤たみ 【現代訳】 道端の空地に藍色のつゆ草が群れるように咲いています。 澄みわたった美しいつゆ草の藍色。小さな花ではあっても決して草に紛れることなく、…
道のべに どくだみの花 かすかにて 咲きあることを われは忘れず ― 斎藤茂吉 【現代訳】 道端に小さなどくだみの花が咲いています。 どんなに小さくても、微(かす)かな存在ではあっても、この大地に咲いてくれているどくだみ…
故郷は 庭もまがきも 荒れゆけど 心とどまる つぼすみれかな ― 慈円 【現代訳】 ふるさとは庭も垣根もすっかり荒れてしまったけれども、強く心に惹かれるすみれであることよ。 心に咲く花 第4回 すみれ この春は小さなすみ…
たんぽぽの 綿毛を追ひて 遊びたる 遥かなる日の 野辺なつかしき ― 皇后陛下 【現代訳】 たんぽぽの綿毛を追いかけながら、こどもたちと楽しく遊んだ、遥かなあの春の日。 あの野辺が今、とてもなつかしく感じられます。 心に…
ヒヤシンス 薄紫に 咲きにけり はじめて心 ふるひそめし日 ― 北原白秋 【現代訳】 薄紫色にヒヤシンスが咲きました。 初めて誰かを好きになって、心がふるえ始めたあの日に。 心に咲く花 第2回 ヒヤシンス 早春を代表する…
春の苑紅(くれなゐ)にほふ桃の花 下照る道に出で立つ少女(をとめ) ― 大伴家持 【現代訳】 春がやってきました。美しく匂い立つように咲いている桃の花。 その桃の花に見とれて立っている少女がいます。 心に咲く花 第1回 …