心に咲く花 45回 茄子(なす)
つつましい 幸福という 花ことば ナスの花愛(め)で ふたりの暮らし ― 山田道子 【現代訳】 「つつましい幸福」という花言葉がある茄子。煮てもよし、焼いてもよしの茄子を家庭菜園で育てている。星型の可憐な花を二人で愛で…
つつましい 幸福という 花ことば ナスの花愛(め)で ふたりの暮らし ― 山田道子 【現代訳】 「つつましい幸福」という花言葉がある茄子。煮てもよし、焼いてもよしの茄子を家庭菜園で育てている。星型の可憐な花を二人で愛で…
雨はれて 心すがしく なりにけり 窓より見ゆる 白木槿(しろむくげ)のはな ― 斎藤茂吉 【現代訳】 雨が上がり、晴れ渡って心が清々しく感じられる。窓の向こうには、白木槿のまっしろいさわやかな花が見える。 心に咲く花 …
百日紅(さるすべり)に 日ははや照れり 朝戸出て 汗ばむ顔を 拭きつつゆくも ― 古泉千樫(こいずみちかし) 【現代訳】 百日紅が咲く頃になると本格的な夏だ。朝、あざやかな百日紅を早くもおひさまが照らしている。そんな…
草土手の 風に吹かれて 幼等(おさなら)と ほたるぶくろの 花探しきそふ ― 若山喜志子 【現代訳】 草の伸びた土手の風に吹かれながら、幼いこどもたちとホタルブクロの花を探し競っている。のどかで朗らかな、ある夏の一日。…
石楠(しゃくなげ)は 木曾奥谷に にほへども そのくれなゐを 人見つらむか ― 斎藤茂吉 【現代訳】 石楠花が木曾の奥深い谷に美しく咲いている。こんな険しい場所に咲く見事な「紅」をこれまでも人々は見たのだろうか。 心に…
心に咲く花 40回 菖蒲(あやめ) よろづよに かはらぬものは 五月雨の 雫に薫る あやめなりけり ― 源経信 【現代訳】 いつの時代にも変わらないものは、五月雨のしずくに薫る紫色の菖蒲(あやめ)の花のすばらしさである…
花水木の 道があれより 長くても 短くても 愛を告げられなかった ― 吉川宏志 【現代訳】 花水木の植えられている道があの長さよりも長かったとしても、短かったとしても、この思いをあのタイミングで伝えることはできなかった…
妹(いも)が汲む 寺井の上の 堅香子(かたかご)の 花咲くほどに 春ぞなりぬる ― 衣笠家良(きぬがさいえよし) 【現代訳】 あなたが汲む寺の井戸のあたりに片栗(堅香子)の花が咲いている。この紅紫色の可憐な花が咲くほど…
猫柳 薄紫に光るなり 雪つもる朝の河岸のけしきに― 北原白秋 【現代訳】 まだ雪が積もっている寒い朝の河岸に、猫柳が薄紫色に光っているなあ。柔らかい毛に包まれた花穂がまるで猫の尻尾のようにも見える猫柳よ。 心に咲く花 2…
冬にいる 庭かげにして 山茶花の はな動かして ゐる小鳥あり― 中村憲吉 【現代訳】 冬に入った庭で、寒さにも負けず、山茶花が咲いている。その山茶花を動かしている小さなかわいい鳥がいるなあ。 心に咲く花 2021年36回…