2023.3月『レッドヒル図鑑』
12月中旬から2月にかけて、バラの剪定
12月中旬から2月にかけて、レッドヒル ヒーサーの森の「ローズガーデン」では400品種1500株のバラたちの剪定と施肥作業が始まります。5人のスタッフで10のエリアに分かれるローズガーデンを順番に行ないます。
品種や生育によりバラの高さを変えて剪定したり、枝を横に倒したりしながら誘引します。順番としては12月中旬に、アーチや外周を彩るツルバラと呼ばれる品種から始めます。脚立を使って、1株を1人で2時間以上かかることもあるので、大変な作業です。
作業には皮手袋を使用していますが、それでもトゲが刺さることもあります。しかし春に咲く美しいバラの姿に思いをはせると、痛みや時間のたつのを忘れてしまいます。
正面入口にある「ナエマ」は香水の原料にもなっている品種で、私はピンク色の大輪で香り豊かなこのバラが好きで、真っ先に剪定をしました。
1月10日には一般的な木立性のバラの剪定をスタート。今年もバラの貴公子で有名な「大野耕生」先生をお招きして、10名の一般参加の方たちと一緒に行いました。この剪定体験は、大野先生の指導の下、実体験を行えるため、とても人気があります。この日の午前、午後のそれぞれ約2時間の剪定作業で2つのエリアを終了することができました。
剪定のあとは肥料をあげて
剪定は約3週間で終わりますが、その後、施肥作業を行います。1株のバラの周囲3ヵ所に30cm四方の穴を掘り、FFCバーク堆肥※と肥料を入れます。そして、株の周りに完熟した堆肥を3cmほど敷き詰めます。この作業に2週間ほどかかります。最後は皆さんが歩きやすいように通路に木のチップを敷き、作業は終了です。あとは株の開花を待ちわびるだけです。
バラは3月中旬より新芽が動き出し、早い品種は4月下旬より開花が始まります。今年も母の日明けからが見頃となる予定です。皆様、ぜひ芳醇なバラの香りで癒されにお越しくださいませ。
冬のバラ剪定ポイント
① 春に開花する姿を想像しながら切る
② 太い枝は通常の枝より低めで切る
– 樹勢が強いため、2~3節下で切ることで他の枝と同じ高さになります
③ 剪定時期は1月中旬~2月上旬
– 東海地方で温暖な所の目安、寒冷地は雪解け後に行ないます
④ 全ての枝にハサミを入れる
– 開花を揃えるため
⑤ 全ての葉をむしり取ること
– 温暖化のため落葉しないことが多いが、葉や葉と枝の付け根に病害虫が潜むため
⑥ 寒肥を与える
– FFCバーク堆肥※とバラ専用肥料がおすすめです
※FFCバーク堆肥とは、赤塚植物園グループ独自の水の技術FFCテクノロジーを応用して開発したバーク堆肥です。樹木の皮や枝などを主原料として製造しています。
文/三枝 二郎
赤塚植物園「レッドヒル ヒーサーの森」は、世界各国の公園を巡り歩いてきた園主 赤塚ひさ子が、荒れていた山に少しずつ“命”を吹き込み、日本の風土に合った四季を楽しむ里山としてよみがえらせました。
シンボルツリーは「世界一のっぽの木」と呼ばれている「センペルセコイア」です、別名「レッドウッド」と呼ばれているセンペルセコイアが、小高い丘にはたくさん植えられていることから「レッドヒル」と命名されました。
シャクナゲを中心に約1,000品種1万本以上の花木や四季の草花を楽しむことができ、森の息吹を感じ、大人も子どもたちも楽しく自然環境や花に触れ、心が豊かになる里山庭園です。
〒514-2221
三重県津市高野尾町2877番地
☎ 059-230-7789
※料金、開園時間等、詳しくは下記ホームページをご覧ください。
⇒https://www.redhill.co.jp/
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