星澤幸子の和食のチカラ 2025年2月- 3月 豆腐を使ったメインディッシュ
栄養満点ヘルシー食材のあつあつアイデアレシピ
毎日の食卓に欠かせない栄養満点のヘルシー食材が豆腐です。お味噌汁の具に冷ややっこ、冬には湯豆腐や鍋の具材として、みなさんの食卓で大活躍していることと思います。
中国から遣唐使によって伝えられたと言われている豆腐。諸説あるようですが、中国での起源は唐の時代(618~907年)の中期には食べられていたようです。
わが国では、寺院の僧侶から貴族、武士へと、エリアも奈良から京都そして全国へと広がっていき、江戸時代には庶民の食べ物として大人気、必要不可欠な食材になります。
料理本の原点とも言われる「豆腐百珍」は、豆腐料理の本として、1782年(天明2年)に刊行され、大ヒット、ベストセラーになりました。その後も続編が刊行されたことから、この時代の日本人にとって、豆腐がいかに大切な食材だったかが窺い知れますね。ここまでの人気食材になったのは、味や調理のバリエーションの多さだけではなく、先人がその栄養面の優秀さにも気づいていたからではないでしょうか。
大豆が原料であり、なにしろ植物性のたんぱく質が豊富。さらにカルシウムやリノール酸などの脂質も多く含まれています。脂質というと気になる方もいるかもしれませんが、リノール酸は動脈硬化や血栓ができるのを防ぐ効果がある優れモノの脂質です。そのほかにも、動脈硬化や脳出血予防さらに脂肪肝にも効果があると言われるレシチン、脂肪の蓄積を防いだり活性酸素の働きをおさえてくれるサポニン、女性ホルモンと同じような働きをしてくれるイソフラボンなどが含まれ、今や世界中から注目されるヘルシー食材です。
今回は、豆腐を使った一風変わったメインディッシュをご紹介しましょう。
ビタミンB群や、カリウムやマグネシウムなどのミネラル、食物繊維など、これもまたヘルシー食材の代表である長イモと合わせた「長イモのふわふわお好み焼き風」。そして、やはりビタミンB群やたんぱく質が豊富な豚肉、さらにカルシウムも含まれるチーズと合わせた「土鍋チーズマーボー豆腐」です。ご家族の健康のために、豆腐メニューのバリエーションを増やして、日々の食卓でさらなる大活躍をしてもらいましょう。
このページでご紹介するレシピ
ダイエット中でも安心の「お好み焼き」
長イモのふわふわお好み焼き風

【材料】(2人分)
もめん豆腐 1丁
長イモ 250g
塩 ふたつまみ
卵 1個
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
油 少々
かつお節 ひとつかみ
お好みソース、青のり 各適量

【作り方】
- 長イモは皮をむいてすりおろし、塩と卵とパイロゲンを加えてよく混ぜます。
- もめん豆腐は平らなところに置いて水気を切っておきます。
- スキレット(耐熱容器)に軽く油を塗ってオーブントースターで温めておきます。温めた耐熱容器にもめん豆腐をちぎって並べ、①の長イモを流し込み、オーブントースターで15分程焼きます。
- 膨らんで焼き色がついたら取り出し、お好みソースと青のりをかけ、かつお節をのせて熱いうちにいただきます。

卵と塩を入れた長イモに、パイロゲンを加えてよく混ぜる。

もめん豆腐の上に長イモを流し込む。

オーブントースターから取り出したら、まずはお好みソースを。
チーズの風味でいつものマーボーが大変身
土鍋チーズマーボー豆腐

【材料】(4人分)
絹ごし豆腐 1丁
豚ひき肉 100g
酒、しょうゆ 各小さじ1杯
長ネギ 1本
ショウガ 1片
ニンニク 2粒
ごま油 大さじ2杯
カマンベールチーズ 1個
【調味料】
豆板醤 小さじ1杯
みそ 40g
てんさい糖 大さじ1杯
パプリカパウダー 大さじ2杯
酒 大さじ3杯
しょうゆ 大さじ2杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
水 カップ2杯
水溶き片栗粉 少々

【作り方】
- 絹ごし豆腐は1丁を半分にして、豚ひき肉に酒としょうゆをまぶしておきます。長ネギ、ショウガ、ニンニクはみじん切りにします。カマンベールチーズは8等分に切ります。調味料は混ぜておきます。
- 土鍋にごま油を熱してニンニクを入れて香りを出し、豚ひき肉、ショウガを加えて炒めます。長ネギと調味料と水を加えてひと煮立させたら水溶き片栗粉で軽くとろみをつけてパイロゲンを入れます。
- 豆腐を入れて温め、所々にカマンベールチーズを置いてタレに絡めながら熱いうちにいただきます。

豚ひき肉にしっかり火が通ったら、調味料と長ネギを加える。

水溶き片栗粉でとろみがついたら、パイロゲンを。

豆腐が十分温まったら、その周囲にカマンベールチーズを配置。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com