星澤幸子の和食のチカラ 2024年12月- 1月 風邪に負けないカボチャ料理
風邪に負けない身体はカボチャ料理で
一年のうちで最も昼間の時間が短くなる冬至。2024年の冬至は12月21日でした。
太陽と地球の位置関係によって決まるため、12月22日、あるいは23日が冬至の年もあり、ちなみに2025年の冬至は12月22日です。
古くから冬至には、カボチャを食べたり、柚子湯に入る習慣があり、今もその習慣を大切にしている方もいらっしゃるかと思います。
そもそもカボチャの収穫期は夏なのですが、追熟によって甘みが増し、栄養価も高くなるため、秋から冬にかけて美味しいカボチャが市場に出回ることになるのです。今ほど保存技術が整っていなかった時代背景から、保存がきき、なおかつ栄養価の高い緑黄色野菜であるカボチャを、風邪などをひかないように冬至のころに食べるのは理にかなったことだったのだと思います。先人の知恵には敬服しますね。
肝心の栄養面では、免疫力アップや抗酸化作用が期待できるビタミンCやE、そしてβ(ベータ)カロテンが豊富です。また、カリウムが多く含まれることから、体の余分な塩分を輩出してくれるため、むくみの防止にもつながります。さらに、水溶性と不溶性、両方の食物繊維が多く、腸内環境の改善も期待できます。私たちの冬の健康を守るためのとびきり大切な野菜です。
今回は、そのカボチャをふんだんに使った主食とデザートのレシピをご紹介しましょう。まずは、山梨県の郷土料理である「ほうとう鍋」。うどんよりも幅広く食べ応えのある麺である「ほうとう」をカボチャなどいろいろな野菜とともに煮込んだ味噌仕立ての鍋です。ほうとうが手に入らなければ、うどんでもかまいません。体が芯から温まる栄養満点の冬メニューです。
そして、デザートは「カボチャの和風ティラミス」。カボチャの自然な優しい甘みがうれしいヘルシーなデザートです。
インフルエンザが猛威をふるい、新型コロナウイルスにも警戒が必要な今年の冬。免疫力アップに効果抜群のカボチャレシピで、ご自身とご家族の健康を守りましょう。
このページでご紹介するレシピ
体から温まる栄養満点の冬鍋
ほうとう鍋
【材料】(2名分)
ほうとう(または、うどん) 2玉
豚もも薄切り肉 200g
カボチャ(正味) 300g
干しシイタケ 2枚
インゲン 50g
長ネギ 1本
昆布 7~8㎝
水 カップ5杯
味噌 80g
酒 大さじ2杯
しょうゆ 大さじ1杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
粗みじん切り唐辛子 適量
【作り方】
- 豚肉はひと口大に切ってサッと湯通ししてアクを取ります。カボチャはひと口大、干しシイタケは戻して薄切り、インゲンは斜め4等分に、長ネギは斜め薄切りにします。昆布は短冊に切ります。
- 分量の水に長ネギ以外の材料を入れて、煮込みます。
※ほうとうは茹で上がるのに時間がかかるので、お肉と野菜と同時に煮込んでください。
※うどんの場合は、カボチャ等の材料が柔らかくなってから入れて温めるくらいにします。 - 長ネギ、酒としょうゆを入れてひと煮立ちしてから火を止め、味噌とパイロゲンを加えて味をみます。お好みで粗みじん切り唐辛子をふります。
ナチュラルな甘さがうれしいヘルシーデザート
カボチャの和風ティラミス
【材料】(4人分)
カボチャ 正味300g
クリームチーズ 150g
てんさい糖 30g
コアントロー※ 大さじ1杯
※フランス産のオレンジリキュールのひとつ
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
カステラ 100g
小豆甘煮 1缶
抹茶 大さじ1杯
【作り方】
- カボチャは皮をむいて1cm厚さの一口大に切ります。鍋に深さが1cmほどになるようにカボチャと水を入れて蒸し煮にします。軟らかくなったら、鍋をゆすりながら余熱で乾燥させ、粉ふきにします。
- カボチャが煮えて温かなうちにつぶし、クリームチーズ、てんさい糖、コアントローを加えてよく混ぜます。混ぜ合わせた状態のところにパイロゲンを入れます。
- 器に1cm厚さに切ったカステラを並べ、上に小豆の甘煮を平らに広げます。カボチャクリームをのせて全体に広げて平らにし、冷蔵庫で冷やします。
- 食べる直前に抹茶を茶こしで全体に振ります。スプーンですくって取り分けます。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん
料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com