星澤幸子の和食のチカラ 2024年10月- 11月 新米を味わい尽くす丼メニュー
「瑞穂の国」の幸せ、新米をおいしくいただく
今年(2024年)は、夏以降、お米の品薄状態が続き、さらに価格も上昇を続けています。ニュースなどでお米の在庫がないスーパーの売り場の映像をご覧になった方、ご自身でもお米を買えなかったという方も多かったと思います。
その原因は、昨年(2023年)の猛暑や大雨の影響でお米の流通量が減少したため、あるいは、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてインバウンドが復活し、飲食店でのお米の重要が増えたため、などと指摘されています。
でも、それ以前の問題で、そもそも国の減反政策で、お米の生産量が減り続けているという状況があります。日本人のお米の消費量も減り続けているのです。以前、「ご飯のお供」のメニューをご紹介した際にも書きましたが、「朝食はパン、お昼は麺類、ご飯は日に一回、あるいはまったく食べない」という人も珍しくありません。
「瑞穂(みずほ)の国」とも称される日本。「瑞穂」とは「みずみずしい稲の穂」という意味です。お米の美味しさを存分に味わうことができる新米が出回る季節だからこそ、「瑞穂の国」に生まれた幸せを再確認したいものです。
私たちが主食にしてきたこともあって、お米は栄養豊富。その主成分である炭水化物は分解されてブドウ糖になり、脳や体の重要なエネルギー源となります。さらに、たんぱく質やカリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラル、そしてビタミンB1、B6、ナイアシン、葉酸といったビタミン類も含まれています。
今回は、新米が主役とも言える、丼メニューをご紹介しましょう。
まずは、お魚の丼メニュー「白身魚のゴマだれ漬け丼」。鯛などお刺身用として売られている白身魚を、セサミンやカルシウム、鉄分などのミネラルが豊富な栄養価の高いゴマをふんだんに使ったゴマだれでいただきます。
もう一つは、お肉の丼メニュー「台湾風揚げ豚丼」です。たんぱく質やビタミンB群を含む豚肉をニンニクとショウガ、さらにカレー風味の下味でカラッと揚げて、オイスターソースを使った台湾風のタレで仕上げました。
どちらも、ご飯との相性抜群、新米の美味しさを思い切り引き立てた丼です。ぜひ、この時期、トライしてみてください。
このページでご紹介するレシピ
ゴマだれ味の白身魚でご飯がすすむ
白身魚のゴマだれ漬け丼
【材料】(2人分)
ご飯 2膳
刺身用白身魚 150g
キュウリ 1本
塩 少々
青シソ 5枚
白ゴマ 大さじ4杯
【調味料】
味噌 大さじ1杯
しょうゆ 大さじ1杯
みりん 大さじ2杯
練りわさび 小さじ2杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
【作り方】
- 刺身用の白身魚は薄いひと口大にそぎ切りします。キュウリは、塩で板ずりしてから水で洗い、斜め薄切りにして、さらに千切りにします。青シソも千切りにしておきます。
- 白ゴマを音がしなくなるまですり、調味料とパイロゲンを加えて混ぜてから、❶の白身魚を和えます。
- 器に盛ったご飯にキュウリを広げてのせ、上にゴマだれを和えた白身魚をのせ、青シソを天盛りにしていただきます。
台湾屋台気分のスタミナ丼
台湾風揚げ豚丼
【材料】(2人分)
ご飯 2膳
豚ロース(肩ロース)厚切り 2枚
片栗粉 大さじ6杯
揚げ油 適量
カイワレ大根 適量
【漬け込み調味料】
酒 大さじ2杯
ウスターソース 大さじ1杯
ショウガとニンニクのすりおろし 各小さじ1杯
カレー粉、塩 各小さじ1/2杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
【かけダレ】
オイスターソース 大さじ1杯
酢 大さじ1/2杯
てんさい糖 小さじ1杯
水 大さじ1杯
【作り方】
- 漬け込み調味料とパイロゲンをポリ袋に入れて混ぜておきます。豚ロース肉は筋を切って、包丁の背で叩いてポリ袋に入れ、30分程漬け込んでおきます。
- かけダレを合わせておきます。カイワレ大根は根を外しておきます。
- ポリ袋の中に片栗粉を入れて肉にまぶして、180℃の油でカラっと揚げ、一口大に切ってからごはんに盛ります。
- 揚げた肉の上にタレをかけてカイワレ大根をあしらいます。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん
料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com