星澤幸子の和食のチカラ 2024年8月- 9月 夏のお手軽スタミナメニュー
調理に極力、火を使わず、しかも栄養満点!
今年は猛暑に重ねて、8月後半の相次ぐ台風の襲来で落ち着かない日々を送っている方も多いと思います。海水温の高さによって、台風が発達しやすいとも聞きます。また、台風とは別に、各地を襲うゲリラ豪雨と呼ばれる短時間での大雨の報道もひっきりなしのような気がします。線状降水帯という言葉もここ数年で、当たり前のように世のなかに定着しました。
今回も引き続き、こんな夏を意識してレシピをご紹介したいと思います。ご提案するのは「火」を使わないメニューです。
酷暑による夏バテで、お料理する気力のない方、台風や大雨で予定が狂ってお料理どころではない方・・・・・・。火を使わなくても、簡単に作れて、しかも栄養価の高いレシピなら、トライしてみる気も起きるのではないでしょうか。
まず一つ目は、「鶏の炊き込み雑穀がゆ」。
お米を研いで、材料を切り、炊飯器に入れればOK。骨付きの鶏肉から出る旨味とニンニクとショウガの風味が食欲をそそるはず。まさに夏のスタミナがゆです。鶏肉のたんぱく質、雑穀に含まれる豊富なミネラルが疲れた体にしみわたります。
次は、「トウモロコシの冷や汁」。
宮崎県の郷土料理として今や全国的に有名になった「冷や汁」は、夏にうれしいスタミナメニューです。ご本家の冷や汁は、焼いたタイやアジの身をほぐしてお味噌に混ぜ、さらにそれを火であぶって、という少々お手間のかかるレシピですが、今回は夏の味覚であるトウモロコシを使い、下ごしらえにも火を使わない簡単なレシピにしてみました。
食物繊維が豊富なトウモロコシは、ビタミンB1やビタミンC、カリウムなども含まれます。糖質やたんぱく質、脂質も多いので主食としてトウモロコシを食べている国あるほどです。お豆腐やキュウリ、トマトが入っているので、本家冷や汁のようにご飯にかけなくても、そのままいただくことで、十分な一食になるかと思います。
お料理する気力がわかない時でも、工夫次第で栄養価の高いメニューを用意することは可能です。食欲に陰りがでるこの時期、お手軽スタミナレシピで、ご自身とご家族の健康をお守りください。
このページでご紹介するレシピ
体に優しい上に高い栄養価
鶏の炊き込み雑穀がゆ
【材料】(2人分)
米 カップ1/2杯
雑穀(麦、もち麦、ハト麦等) カップ1/2杯
鶏骨付きモモ肉 1本
ニンニク 4片
ショウガ 1片
水 カップ5杯
干しシイタケ 2枚
昆布 5cm
【調味料】
酒 大さじ2杯
塩 小さじ1杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
お好みでゴマ油 適量
【作り方】
- 米は30分前に研いで分量の水に浸しておき、干しシイタケは石付きを取って手で砕いて入れておきます。鶏肉は骨に沿って包丁を入れ、熱湯をくぐらせてあく抜きします。ニンニクは皮を剥き、ショウガは薄切りにします。昆布は半分に切ります。
- ニンニク、ショウガ、ザーサイをみじん切りにし、トマトは1㎝角に切ります。オクラは塩でもんでから洗い、うどんのゆで汁でサッと湯通しし、輪切りにします。
- すべての具材と調味料とパイロゲンを炊飯釜に入れ、炊飯器にセットして炊きます。
- 炊けたら器に盛り付け、お好みでゴマ油をあしらいます。
夏にうれしい宮崎の郷土料理をトウモロコシで
トウモロコシの冷や汁
【材料】(2人分)
茹でトウモロコシ 1/2本
絹豆腐 1/3丁
キュウリ 1/2本
ミニトマト 3個
白ゴマ 大さじ2杯
水 カップ2杯
【調味料】
味噌 大さじ2杯
みりん、しょうゆ 各少々
鮭節 ひとつまみ
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
【作り方】
- 茹でトウモロコシの実を包丁で切り取り、胚芽もこすり取ります。絹豆腐は1cm角に切り、キュウリは塩で板摺して洗って縦半分に切ってから小口切りにします。ミニトマトは4つ切りにし、白ゴマは細かく擦ります。
- ボウルに分量の味噌と水を入れて溶き、みりんとしょうゆ、パイロゲン、細かくもんだ鮭節、擦ったゴマ、好みの量の唐辛子を加えて混ぜます。
- 汁の中に材料を加えて冷蔵庫で冷やしていただきます。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん
料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com