星澤幸子の和食のチカラ 2024年3月- 4月 手作り点心
餃子(ギョウザ)や焼売(シュウマイ)や春巻きなどの点心。日本の家庭ではご飯のおかずとして食卓に上ることが多いと思います。中華料理での点心は、主菜やスープ以外の、いわゆる軽食や間食全般のお料理のことで、ごま団子やエッグタルトといった甘いお菓子も点心に含まれます。
食べる時間帯によっても、朝食として食べる「早点(ザオディエン)」、午後3時ごろおやつとして食べる「午点(ウーディエン)、夜食である「晩点(ワンディエン)と呼び名も変わります。また味によっては、月餅や杏仁豆腐など甘みのある甜点心(ティエンティエンシン)とそれ以外の餃子や焼売など塩味のある鹹点心(シエンティエンシン)に分かれます。
ちなみに飲茶(ヤムチャ)とは、お茶を飲みながら点心をいただくことを言います。
今回は、春を感じさせる手作り点心、焼売と春巻きのレシピをご紹介しましょう。
まずは、細く切った焼売の皮で出来上がった見た目が華やかさを感じさせる「花シュウマイ」。白身魚のすり身とエビを使ったさっぱり&ヘルシーな焼売で、枝豆の緑が春らしさを感じさせてくれるはず。
もう一つのレシピは、春キャベツとクリームチーズを使ったいつもとはひと味違った春巻きです。味噌とチーズの風味に、キャベツと寒天の食感がマッチして何本でも食べ進められそうです。
餃子や焼売、春巻きはスーパーに並ぶ冷凍食品を買ってきてという方、中華料理店など外食でという方も多いでしょうが、簡単、お手軽に作れるのでぜひ、チャレンジしてみてください。お子さんと一緒に楽しくお料理という手もありそうです。
このページでご紹介するレシピ
高たんぱくでヘルシー、しかも華やかな点心
花シュウマイ
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【材料】(4人分)
白身魚のすり身 200g/酒 大さじ1/冷凍エビ 50g/酒 少々/シュウマイの皮 1袋/枝豆 大さじ3杯
【タレ】
しょうゆ 適量/パイロゲン キャップ1杯(約5.5㏄)/練り辛子 適量
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【作り方】
- 白身魚のすり身に酒を加えて滑らかになるまでよく練ります。冷凍エビは解凍して塩水で洗って荒く刻んで酒少々を振ります。すり身に枝豆と刻んだエビを加え8等分にして丸めます。シュウマイの皮は長さを半分に切って重ねて細く切ります。
- 刻んだシュウマイの皮を丸めたすり身に均一にまぶします。
- 深皿に薄く油を引いてシュウマイを並べます。フライパンで少々の湯を沸かしてキッチンペーパーを敷き、その上にシュウマイを並べた深皿を置きます。フタをして中火で10分蒸し、しょうゆにパイロゲンを入れたタレでいただきます。
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滑らかになるまでよく練ったすり身に枝豆と刻んだエビを混ぜる。
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シュウマイの皮は半分の長さに切ったものを重ね、細く切る。
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「せいろ」がなくても、フライパンを使って上手に蒸すことができます。
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パイロゲンは、タレに使います。お酢とはひと味違ったおいしさに。
春キャベツを春巻きで味わう
キャベツのクリームチーズ春巻き
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【材料】(10本分)
キャベツ 300g/塩 適量/糸寒天 ひと握り/クリームチーズ 100g/味噌 大さじ2杯/パイロゲン キャップ1杯(約5.5㏄)/春巻きの皮 10枚/水溶き小麦粉 適量/揚げ油 適量
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【作り方】
- キャベツは5mmほどの千切りにし、塩でもんでから水分をしぼります。糸寒天は水で戻して、しっかり水分をしぼり、キャベツと混ぜます。
- クリームチーズはポリ袋に入れ室温に戻し、味噌とパイロゲンを加えてよく混ぜて滑らかにします。
- 春巻きの皮を斜めに置き、キャベツを中央手前に置きます。ポリ袋の底の角の一ヵ所を切り、キャベツの上にクリームチーズをしぼり出します。皮の向こう2辺に水溶き小麦粉をぬって巻き、しっかり閉じます。
- フライパンに1cmほどの油を熱し、転がしながらキツネ色になるまで揚げ焼きにします。
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千切りしたキャベツは、塩でもんでから水気を切る。
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クリームチーズには味噌とパイロゲンを合わせる。
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水溶き小麦粉は皮の淵、2辺にぬって。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん
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料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com
レシピ撮影/大滝恭昌