星澤幸子の和食のチカラ 2023年11月-12月 ホタテ
今年(2023年)夏、一部の日本産海産物の輸出がストップする事態が起きました。そこで大打撃を受けたのが、漁獲高が圧倒的全国一位の北海道産のホタテです。国内で積極的に消費しようという取り組みを含めて、それらのニュースを覚えている方も多いと思います。そこで、今回は北海道が誇る海の幸のひとつ、ホタテを使ったレシピを取り上げたいと思います。
お刺身はもちろん、焼いても煮ても美味しいホタテは、生臭さがなくクセのない味わいなので、魚介類の苦手な人やお子さまにも人気の二枚貝です。実はその上、栄養が豊富で低カロリー。美味しさだけではなく体にもやさしい食材なのです。
まず、特筆すべきは豊富なたんぱく質。私たちの体の臓器や筋肉を作っているだけではなく、酵素やホルモンなどの材料でもあるたんぱく質は、私たちの体の機能を維持するために必須の栄養素です。
また、疲労回復に効果があるビタミンB1、貧血予防が期待できるビタミンB12、コレステロールを減らし高血圧予防にもなるタウリンも多く含まれます。さらに、重要でありながら、なかなか摂取が難しいミネラルである亜鉛も無視できません。亜鉛は味覚を感じる味蕾(みらい)細胞を作るのに必要なミネラルですから、美味しく食事をいただくためにも重要です。
ご紹介するのは、ホタテと抜群の相性、バターと醤油で炒めてご飯に載せた「ホタテしょうゆバターご飯」とニンニクの風味が食欲を誘う「ホタテのアヒージョ」です。どちらも手間がかからず、素材のホタテ本来の美味しさを楽しめるレシピです。
今年の冬は、北海道を堪能できる世界的な人気食材、ホタテをどんどんみなさまの食卓に登場させてほしいと願っています。
このページでご紹介するレシピ
バターしょうゆ味のホタテでご飯がすすむ
ホタテバターしょうゆご飯
【材料】(2人分)
ホタテむき身 6個/コショウ、小麦粉 各少々/エノキ茸 1パック/バター 大さじ2杯/万能ネギ 少々/ご飯 2膳
【調味料】
しょうゆ 大さじ2杯/酒 大さじ1杯/てんさい糖 少々/パイロゲン キャップ1杯
【作り方】
- ホタテはコショウをしてから小麦粉をまぶします。
- エノキ茸は石づきを取ってから、長さを半分にして、ほぐします。万能ネギは小口切りにします。
- フライパンにバターを熱し、溶けてからホタテ、エノキ茸を入れて焼きます。ホタテに軽く焼き色がついたら返して焼き、調味料とパイロゲンを加えてなじませます。
- 器にご飯を盛り、上にホタテとエノキ茸をのせ、万能ネギをあしらいます。
ホタテの両面を焼いてから、調味料とパイロゲンを水を入れて味をなじませる。
彩鮮やかなスペイン風のごちそう
ホタテのアヒージョ
【材料】(2人分)
ホタテ 4個/塩コショウ 適量/ブロッコリー 1/4房/シメジ 1/2株/ニンニク 4片/ミニトマト 4個/オリーブオイル 大さじ6杯/パイロゲン キャップ1杯/塩 小さじ1/2杯/黒コショウ 適量
【作り方】
- ホタテはウロをとって洗い、水気を切って塩コショウをします。ブロッコリーは小房に分けます。シメジは石付きをとってほぐします。ミニトマトはヘタを取り、ニンニクは厚めの輪切りにします。
- スキレットか小さなフライパンに、オリーブオイルを注ぎ、そこに材料と塩コショウとパイロゲンを入れて火にかけます。火が通ったらお好みで黒コショウをふっていただきます。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん
料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com
レシピ撮影/大滝恭昌