日本人と海藻の幸せな関係

星澤幸子の和食のチカラ 2023年4月-5月 海苔、ワカメなどの海藻


和食には欠かせない素材である昆布やワカメや海苔などの海藻。日本人は少なくとも8世紀ごろには海藻を食べていたと言われています。飛鳥時代の701年に定められた日本最古の本格的な法律、大宝律令には、租税として昆布やワカメなど8種類の海藻が定められているというのですから驚きです。また、縄文、弥生時代の遺跡からも海藻が発見されているので、そのころからすでに私たちの祖先が海藻を口にしていた可能性は高いのではないでしょうか。

近年の研究によって海藻類が、低カロリーかつ重要な栄養素を含むお宝食材であることが分かってきたことを考えると、先人に感謝する必要がありそうですね。

海藻類には、ビタミンAやビタミンKなどのビタミン類、カルシウムや鉄分、ヨウ素などのミネラルが豊富に含まれています。
また、腸内細菌の大切なエサとなる水溶性の食物繊維の宝庫であり、腸内環境の改善、生活習慣病の予防にも威力を発揮します。
さらには、抗がん作用や抗炎症作用のある、あのぬめり成分であるフコイダンや、その色素成分で肥満抑制効果のあるフコキサンチンという2大注目成分まで含まれているのです。
欧米人には見向きもされてこなかった海藻ですが、今や世界遺産になった和食の世界的なブームによって、うまみ成分の宝庫である昆布やお寿司に使う海苔などが注目されています。

私の愛するふるさと北海道を代表する海藻と言えば昆布であり、これまでも様々なレシピで取り上げてきました。そこで今回は、ワカメと海苔を使ったお手軽なレシピを紹介します。日本人と海藻の幸せな関係に思いを馳せながら、日々の食卓に海藻を取り入れて、ご自身と家族の健康を守っていきましょう。

このページでご紹介するレシピ


栄養満点のさっぱりうどん
梅ワカメうどん

【材料】(2人分)
茹でうどん 2玉/ワカメ 50g/梅干し 2個/長いも 100g/青じそ 10枚

【だし】
水 カップ4杯/鮭節 ひとつまみ/しょうゆ、みりん 大さじ1杯/塩 小さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. うどんは茹でて湯切りしておきます。ワカメは食べやすい大きさに切り、茹で汁に入れて火を通します。長いもは皮をむいて、千切りつき器でつき、パイロゲンを加えて混ぜます。青じそは千切りにし、梅干しは種と実を別々にします。
  2. 分量の水を沸かしてから調味料を入れ、そこに鮭節を細かく揉んで加え、梅干しの種も加え、だしを作ります。
  3. 丼にうどんを入れ、梅干しの種を取り出しただしを注ぎ、ワカメ・長いも・梅干しをのせ、青じその千切りをあしらいます。

千切りにした長いもにパイロゲンを混ぜておきます。

鮭節はよく揉んでから加えましょう。

梅干しの赤、長いもの白に、青じその千切りを加えて色鮮やかな盛り付けに。

超お手軽ヘルシーサラダ
ニンジンのミネラルサラダ

【材料】(4人分)
ニンジン 大1本/酢 大さじ2杯/パイロゲン キャップ1杯/海苔 2枚/パセリ 1枝/鮭節 ひとつまみ

【調味料】
てんさい糖 ひとつまみ/塩、コショウ 各少々/油 大さじ1杯

【作り方】

  1. ニンジンは千切りつき器でついて、酢とパイロゲンを混ぜておきます。
  2. 海苔とパセリは細かくちぎり、鮭節は揉んで細かくし、①のニンジンに入れます。
  3. 調味料を加えて、さっくり混ぜて盛りつけます。

千切りにしたニンジンに酢とパイロゲンを加えて。

海苔を細かくちぎります。

仕上げに調味料を入れて混ぜ合わせて盛り付けます。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌