星澤幸子の和食のチカラ 2022年4月-5月 アスパラガス
一年を通してスーパーで見かけ、美味しく食べられるアスパラガスですが、じつは国産モノの旬は春先から6月にかけて。そしてその最大の生産地が私のふるさと北海道なのです。この時期、国産のアスパラガスを見かけたら、ぜひそのみずみずしさを味わってほしいものです。
アスパラガスと言えば、その代表的な成分がアスパラギン酸でしょう。その名の通り、アスパラガスから発見されたアミノ酸で、疲労回復のための健康ドリンクなどに使われているので、その名を聞いたことのある方も多いと思います。疲労回復以外にも、筋肉を動かす成分であるグリコーゲンの生成を促す効果もあり、スポーツ選手にとってはこまめに補給すべき大切な物質です。
ほかにも、尿の排出を促したり、有害なアンモニアを体外に出してくれる効果があり、さらにたんぱく質の合成に必要だったりと、私たちの体の中でさまざまな重要な役割を果たしてくれているのです。
アスパラガスにはビタミン類が豊富なことも魅力です。βカロテンやビタミンC、ビタミンEを含んでいるので、強力な抗酸化作用、美肌効果も期待できます。また、ポリフェノールの一種であるルチンや、妊婦さんにとって大切な栄養素である葉酸も豊富なので、特に女性にうれしい野菜と言えるでしょう。
今回は、サラダやパスタなど洋風な使い方ではなく、中華テイストのレシピをご紹介します。旬の時期、ぜひ国産の新鮮なアスパラガスを使った一品を、ご家族やご自分の身体のため、食卓に加えてください。
このページでご紹介するレシピ
和の味付けと食感が楽しい春巻き
アスパラガスのショウガ春巻き
【材料】(10本分)
アスパラガス 10本/ちくわ 2本/とろろ昆布 10g/春巻きの皮 大10枚/揚げ油 適量/パイロゲン 適量/味噌 大さじ1杯/おろしショウガ 大さじ2杯/水溶小麦粉 少々
【作り方】
- アスパラガスは根元の硬い皮を剥き、半分の長さに切ります。ちくわは縦に5等分にします。
- 春巻きの皮に、切ったアスパラガスを2本、斜めに置きます。味噌とおろしショウガ、パイロゲンを混ぜて薄く延ばして付け、とろろ昆布を広げてのせ、ちくわをのせます。
- 奥側の2辺に水溶き小麦粉を塗り、手前からきっちり巻いて留めます。
- 揚げ油を中温に熱してから春巻きを入れ、きつね色になるまで揚げます。
ご飯が進むアスパラガスの健康おかず
アスパラガスのチンジャオロース風
【材料】(2人分)
アスパラガス 1束/塩、油 少々/豚もも薄切り肉 100g/酒、しょうゆ、パイロゲン 各小さじ1杯/片栗粉 小さじ2杯/乾燥キクラゲ 3g/ニンニク 1片/ゴマ油 大さじ1杯
【調味料】
しょうゆ、酒 各大さじ1杯/てんさい糖、コショウ 各少々
【作り方】
- アスパラガスは根元を、薄く皮をむいて、5㎜厚さの斜め薄切りにします。豚もも肉は3、4㎝長さの細切りにして、パイロゲンと調味料をからめてから片栗粉をまぶしておきます。キクラゲは水で戻して千切り、ニンニクはつぶして小口切りにします。
- フライパンに少しの湯を沸かして、塩と油少々を入れ、アスパラガスとキクラゲを色鮮やかになるよう湯通しします。
- フライパンにゴマ油を熱して、ニンニクと豚肉を炒め、香りが立ったらアスパラとキクラゲを加え、サッと炒めて、てんさい糖、コショウを振り、鍋肌からしょうゆ、酒の順に回し入れて絡めます。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん
料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com
レシピ撮影/大滝恭昌