野菜の力で免疫力アップ

星澤幸子の和食のチカラ 2020年10-11月 カボチャとゴボウ


秋になると美味しいカボチャ。生産してから太陽にあてることでさらに栄養がアップします。古くから冬至のカボチャとして、大切に食されてきた栄誉満点の食材です。何といっても、免疫力を高めるファイトケミカルであるβカロテンが豊富。皮には実の倍以上も含まれているので、皮ごと調理するのがおススメです。
その上、抗酸化ビタミンとも言われるビタミンCやEも含まれており、先人の食の知恵に納得させられます。今回ご紹介するシチューは、カボチャが溶けることで自然なとろみが出ることを計算して作りました。

もうひとつの野菜は、食物繊維の宝庫でもあるゴボウです。世界広しと言えども、ゴボウを常食するのは日本人くらいのもの。かつて戦後に駐留していたアメリカ人にゴボウの料理を出したところ、根っこを食べさせられた!と激怒されたとか。
食物繊維は、免疫力の源でもある腸内細菌の大好物。また、お通じを良くする効果もあり、腸の健康に欠かせない成分です。

今回のレシピでは、柔らかく煮たうえで、さらに揚げるというひと手間を加えたことでグンと美味しくなっています。半分だけを揚げて、二品にして、その差を味わってみてもいいかもしれません。

このページでご紹介するレシピ


カボチャの自然なとろみと甘みがうれしい
カボチャのシチュー

【材料】(4人分)
カボチャ 正味300g/鶏ささみ 3本/塩、コショウ 各少々/小麦粉 大さじ2/キャベツ 200g/タマネギ 小1個/油 大さじ1杯/シメジ 1パック/水 カップ1杯/酒 大さじ2杯/パイロゲン キャップ1杯/牛乳カップ3杯/枝豆 大さじ3杯

【調味料】
塩 小さじ1/コショウ 少々

【作り方】

  1. カボチャは皮ごとひと口大に切ります。鶏ささみは1本を4枚のそぎ切りにして、塩・コショウをしてから小麦粉をまぶします。キャベツはひと口大、タマネギは1cm幅に切り、シメジはサッとすすいで石づきを取り、ほぐします。
  2. 鍋に油を熱して、タマネギを入れてしんなりするまで炒め、鶏ささみ・カボチャ・キャベツ・水・酒・パイロゲンを加えて蒸し煮します。
  3. カボチャが崩れる程度煮たら牛乳を加え、塩・コショウをして混ぜ、シメジを加えて、さらに煮込みながら、カボチャの実を崩して黄色いシチューにします。
  4. 器に盛って、枝豆をあしらいます。

ビニール袋などを使って小麦粉をムラなくまぶす。

パイロゲンを加えてから、蒸し煮に。

牛乳を加えてから、柔らかくなったカボチャをつぶして、自然なとろみを。

北海道名物、ザンギの素材をゴボウに変えて
ゴボウのザンギ風

【材料】(4人分)
ゴボウ 大1本

【調味料】
しょうゆ、みりん 各大さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯/小麦粉 少々/揚げ油 適量/粗みじん切り唐辛子、青のり 各少々

【作り方】

  1. ゴボウはこすり洗いし、すりこぎ棒で軽く叩き、一口大の乱切りに。それを水に放して何度か水を取り替えてアク抜きをします。
  2. 鍋にゴボウ、調味料、パイロゲン、ひたひたの水を入れて軟らかくなるまで煮ます。
  3. 水気を切り、小麦粉をまぶして高温の油でカリッと揚げます。
  4. 油切りしてから粗みじん切り唐辛子と青のりをあしらいます。

何度か水を取り替えながらしっかりとアク抜きを。

煮る前にパイロゲンを加えます。

ゴボウにすでに火は通っています。高温の油で、短時間でカリッと揚げましょう。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌