星澤幸子の和食のチカラ 2019年8月-9月 サラダだけじゃもったいない、栄養満点のトマトが主役のお料理
トマトの栄養と言えばリコピンです。最近はずいぶんと耳にする機会が増えてきました。
リコピンとはトマトの赤い色のもととなっている色素です。
強力な抗酸化作用をもち、身体の老化や生活習慣病を引き起こす活性酸素に対抗する私たちの力強い味方でもあります。
また、トマトの果汁には、脂肪を燃焼させる遺伝子を増やすリノール酸が含まれていることが発見されています。
さらに、ビタミン類や食物繊維、体内にたまった余分な水分や塩分を排出してくれるカリウムも豊富。
こんな栄養満点の食材は、毎日の食卓に取り入れたいものですが、「生でサラダ」だけでは、さすがに飽きてしまいます。
今回は、トマトが主役のお料理を2品、ぜひトライしてみてください。
このページでご紹介するレシピ
夏の和風トマト料理
トマトの冷製おでん
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【材料】(2人分)
トマト 2個/万能ネギ 少々
【だし汁】
水 カップ1・1/2杯/かつお節 ひとつかみ/しょうゆ 小さじ1杯/みりん 小さじ1杯/塩 小さじ1/4杯/パイロゲン キャップ1杯
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【作り方】
- トマトはヘタを取り、皮に浅く十文字の切り込みを入れます。
熱湯にサッと浸し、皮がむけたら冷水に取り、皮をむきます。 - 鍋に湯を沸かして、かつお節を入れて2分程煮て漉します。
だしに調味料、パイロゲン、トマトを入れて5分程弱火で煮ます。そのまま冷やして味をしみ込ませます。 - 食べやすく切ったトマトを汁ごと盛って万能ネギの小口切りをあしらいます。
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熱湯には浸し過ぎずに、皮がめくれたらすぐにむいて冷水に
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だし汁にパイロゲンを、その酸味と甘みも味に深みを与えてくれます。
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火を止めたら、そのまま冷やしてじっくり味をしみ込ませて。
お子さんも大喜び、手軽で豪華な一品
ふらいぱんトマトパエリア
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【材料】(4人分)
米 1合半/完熟トマト 大2個/ニンニク 1片/油 大さじ1杯/ベーコン 2枚/ミニトマト 3個/枝豆 大さじ2杯/米の浸し水 カップ3/4杯
【調味料】
しょうゆ 小さじ1杯/塩 小さじ1杯/酒 大さじ1杯/コショウ 少々/パイロゲン キャップ1杯
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【作り方】
- 米は研いで30分水に浸してからザルにあげ、米と浸し汁に分けます。
完熟トマトは2cm角、ニンニクは薄切り、ベーコンは2cm幅に、ミニトマトは4等分に切ります。 - フライパンに油を熱してニンニクを入れ、香りが立ったらベーコン、完熟トマトを加えて強火で炒めます。さらに米を加えて炒めます。
- 浸し汁と調味料、パイロゲンを加えて混ぜ、米が水分を吸ったらミニトマトを全体にのせます。
フタをして極弱火で20分、火を止めて10分そのまま蒸らします。全体に枝豆をのせて取り分けます。
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米と浸し汁を分けておきます。
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トマトの果汁を米にまとわせるように、混ぜ合わせるよう炒めます。
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浸し汁と調味料を入れたら、最後にパイロゲンを。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん
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料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com
レシピ撮影/大滝恭昌