AKATSUKA グリーン通信 2022.冬号
いまや冬に咲く代表的な植物のクリスマスローズ。色や品種も豊富になり街中の寄せ植えなどでもよく見かけます。ですが昔のイメージが強く、栽培が難しいと思っている方も多いのではないでしょうか。今回は、初めてクリスマスローズを育ててみたいと思っている方にもわかりやすく説明します。
クリスマスローズにはガーデンハイブリッド（オリエンタリス）系、ニゲル、リビダス、フェチダスなどたくさんの種類があり、色や姿もさまざまですが、基本的な育て方はほとんど同じです。
基本的に宿根草で成長期は秋～春。夏の暑い時期には休眠状態になります。ちょうどチューリップやスイセン、クロッカスなどの秋植え球根とよく似た生育パターンです。
育て方
肥料
肥料は生育期の10月頃～3月頃まで与えます。5月頃には肥料が切れた状態にします。暑い時期に肥料が効いていると枯れてしまうこともあるので注意して下さい。初めて育てる方はクリスマスローズ専用肥料を使うと便利です。商品にもよりますが1ヵ月に1回与えるものが多いです。
水やり
生育期は乾く少し前に水を与えます。水が十分なときは手のひら状の葉が上を向きピンとしていますが、不足し始めると葉先が下を向きます。秋～春にかけてはこのタイミングで水を与えます。さらに乾くと株元の葉柄から倒れてきますが、暑い夏はこのタイミングです。
冬は暖かい日中に、夏は涼しい夕方に水をやるのが基本。冬は暖かい時間に水を与えないと土が凍り、水を吸うことができません。反対に、夏は日中に水やりをすると暑さで土の中が蒸れ、根が腐ります。春と秋は夏冬を参考に、水をあげるタイミングを調節して下さい。
株分け・鉢増し
【株分け】
生育が始まる10月頃が最適。回復が早く、株へのダメージも少なく済むためです。クリスマスローズは宿根草なので年々株が増えていきますが、株が混みあうと生育が悪くなり、花も咲きません。
鉢の回りを木槌などでたたいて株を取り出し、包丁などでばっさりと切り分けます。このとき、古土や腐った根は取り除きましょう。
株分けができたら新しい用土で植込みます。専用土を使うのがおすすめ。
株が混みあっていない場合は鉢増しを行います。株分け同様、古い土や根を取り除き新しい用土で植え替えます。生育が早いので、二回りくらい大きな鉢を選びましょう。株元から新しい根を出すため、葉柄の付け根は土に埋まるようにしますが、株の中心を埋めると腐って枯れてしまうので注意します。
【古葉切り】
気温が10度を下回る11～12月頃に行います。ウィルス病伝染予防に刃物は消毒します。ビストロンなどの消毒薬もありますが、ライターなどの火であぶると簡単です。
【植え場所、置き場所】
落葉樹の下が最適ですが、夏の西日さえ避けられればそれほど神経質になる必要はありません。
「実生苗」と「メリクロン苗」
現在、園芸店で販売されているクリスマスローズは大きく分けて2タイプあります。一つは実生苗、もう一つはメリクロン苗です。
実生苗は種から生えた苗を育てたものです。同じものが一つもないのが特徴です。咲く花は一期一会で、同じものをもう一つと思っても手に入りません。
「ラベルと同じ花が咲かないのですが…」というお悩みをお店でよく耳にしますが、これは実生苗なら当然のこと。ラベルはこんな花が咲くかもしれない…という目安だと思ってください。
一方、メリクロン苗はクローン繁殖。特殊な技術で１つの細胞を何倍にも何万倍にも増やす方法です。こちらの苗はラベルと全く同じ花が咲きます。
実生苗ではよく似た花色をしていても株の成長や耐病性など全てが異なりますが、メリクロン苗は全て親と同じ。誰でも簡単に育てられます。
アカツカオリジナル品種の「伊勢みやびシリーズ」は全てメリクロン苗。
アプリコットの中大輪で縁の濃いオレンジが朝焼けのように美しい花梨、明るい黄色に赤のピコティ（糸状の覆輪）がひときわ目を引く八重咲きの陽光、華やかなピンク色の八重咲きで特に丈夫な琴音、白に赤紫のピコティとダークネクタリー（蜜腺。本来の花が退化したもの）が清楚でかわいい一重咲きの眉引きや春霜など、現在10数種類のラインナップがありバラエティ豊富です。
これらは育種交配された中から毎年美しく丈夫なものだけを選んだもの。数千株の中から選ばれるのはたった2、3株。厳選に厳選を重ねた自慢の子たちです。いずれも生育が早く丈夫で、通常開花まで2～3年かかるところ1～2年で咲きます。新品種も次々と登場していますので、好みのクリスマスローズがきっと見つかるはずです。
クリスマスローズは難しいと思っているあなた、今年はぜひ一度チャレンジしてみませんか。
文／工藤 一成
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【アカツカFFCパビリオン】
アカツカFFCパビリオンは、三重県下最大級の総合園芸売店です。
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〒514-2293
三重県津市高野尾町1868番地の3
☎ 059-230-2121
●定休日：毎週火曜日
●営業時間：平日10：00～17：00
（土日祝は18:00まで ※夏冬を除く）
詳しくは下記ホームページをご覧ください。
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