AKATSUKA グリーン通信vol.266 2021.5月号
日本人には昔からおなじみのアジサイ。約100年前にフランスで育種改良が始まり、今では世界中に2000種類以上あるともいわれています。ハイドランジアをはじめガクアジサイ、ヤマアジサイ、タマアジサイなどその花の形も様々です。近年ではアジサイの近縁種も品種改良が行われ、様々な品種が生まれています。今回はその中でも丈夫で育てやすく美しい種類をいくつかご紹介します。
まず一番におすすめしたいのはアナベル。北米原産のアメリカノリノキを品種改良したもので手鞠咲きの白く大きな花が印象的な品種です。一般的なアジサイ(ハイドランジア)の仲間は花後すぐに剪定をしないと翌年花が咲きません(旧枝咲き)が、アナベルは春から伸びた枝に花がつく(新梢咲き)なので、春に剪定を行っても花を咲かせることができます。
おすすめする一番の理由は、花をつけたまま冬まで鑑賞できる(ドライフラワーになる)うえ、簡単に毎年花を咲かせられるからです。剪定の自由度が高いのも大きな魅力です。他の多くのアジサイも花後の花房を鑑賞することは可能ですが、翌年咲く花芽が今年咲いた花の2~3節下にできるので、毎年咲かせようと思うと年々背が高くなります。その点アナベルは毎年春に地際で剪定をしてもちゃんと花が咲き、毎年同じ高さで鑑賞できます。
仕立て方も自由自在です。枝数を増やすと背が低く、小さめの花がたくさんつきます。枝数を減らして幹を太く、背を高くすれば大きな花が咲きます。
円錐形の花房をつけるノリウツギもアナベル同様、同じ栽培方法、仕立て方が可能です。
二つ目はブライダルシャワーというアジサイです。普通のアジサイは枝先にのみ花をつけるのですが、なんとこのアジサイは脇芽も花芽になります。言いかえれば、長い枝を増やせば増やすほど花がたくさん咲くということです。昨年デビューした新品種で、お店でまだあまり見かけません。今からお庭に植えておけば後々ご近所の評判になること間違いなしです。仕立て方などによっても今後更に発展しそうな大注目品種です。
3つ目のおすすめはヤマアジサイ。品種は様々ですがヤマアジサイのいいところは、その多くが日陰で花を咲かせるところです。剪定も9月頃迄に行えば翌年花が咲きます。豪華さこそありませんが、涼しげに日陰で花を咲かせる姿にはなんともいえない情緒と可憐さがあります。また枝が黒い黒姫など一部の品種は、枝をカラーリーフとして開花期以外にも楽しめそうです。
アジサイの仲間は丈夫なものが多く水切れさえ注意すれば育てるのは簡単です。地植えする場合は日向、日陰のどちらを好むのか確認して植えると葉焼けなどの心配もいりません。
シャクナゲガーデンに隣接するアジサイガーデンでは6月頃からアナベルやハイドランジアの仲間など様々なアジサイが見られます。同時にシャクナゲガーデン内の各所で大株のアジサイを見ることができます。また、レッドヒルヒーサーの森でも園内各所で様々な種類を見ることができます。
FFCパビリオン、アジサイガーデン売店などでは様々なアジサイを販売しています。近年では年明けの寒い時期から鉢物が出回り、母の日前後には多くのアジサイが店頭に並びます。鉢植えのコンパクトなハイドランジアはもちろん美しいのですが、今回取り上げたような種類にもまた違った美しさと魅力があります。
近年更に多様化しているアジサイの仲間。この機会にもう一度、アジサイの魅力を見直してみませんか。
文/工藤 一成
【栽培見本農場 赤塚アジサイガーデン】
〒514-2221 三重県津市高野尾町1902番地の1
開園期間:6月上旬~6月下旬 予定
営業時間:9:00~17:00
詳細はホームページをご覧ください⇒https://www.akatsuka.gr.jp/group/ajisai/
【アカツカFFCパビリオン】
アカツカFFCパビリオンは、三重県下最大級の総合園芸売店です。
洋ランや鉢花、観葉植物、切花、草花や野菜の苗、ハーブなど園芸植物のほか、鉢や土、肥料などの園芸資材、お花に関するグッズなど幅広く取り扱っています。
数々のギフト商品も取り揃え、ラッピングサービス、地方発送も承っています。お得なポイントサービスもございます。
〒514-2293
三重県津市高野尾町1868番地の3
☎ 059-230-2121
●定休日:毎週火曜日
●営業時間:平日10:00~17:00
(土日祝は18:00まで ※夏冬を除く)
詳しくは下記ホームページをご覧ください。
https://www.jp-akatsuka.co.jp/pavilion/
赤塚植物園では、お花のWEBショップ「赤塚植物園オンライン花の音」でも園芸商品を取り扱っています。