AKATSUKA グリーン通信vol.263 2021.2月号
年々美しい品種が増えているクリスマスローズ。一昔前は高嶺の花でしたが品種改良が進み、今ではお手頃な花になりました。近年はメリクロン技術の向上で美しい品種をより多くの方々が楽しめるようにもなりました。
クリスマスローズは本来ニゲルのみを指しますが、日本では海外でレンテンローズと呼ぶオリエンタリス(ガーデンハイブリッド)も総称してそう呼びます。もともと春から咲く植物でしたが、近年では早咲きのものが増え、冬から春までより長く花を楽しめるようになりました。
クリスマスローズは非常に花持ちのよい植物です。一つの花の観賞期間が一番長い草花かも知れません。正確には花弁ではなく萼片なので、萼(がく)持ちといった方が正しいかもしれません。余談ですが、同じように萼片を長く鑑賞できるものにはアジサイなどがあります。
鑑賞期間がとても長いので生け花などにも利用できます。色も多彩で和洋どちらにも合うので素朴な器に一輪挿しにしても、ブーケなどに組み合わせてもよく合います。
ただし水揚げが悪いので、生花にする際はよく切れる刃物で花茎を斜めに切り、花首の下まで40℃のお湯に冷めるまでつけておき、その後冷水に入れるというのが一般的です。こうすると1週間~10日程楽しめます。
古代ヨーロッパでは騎士が戦地へ向かう前に恋人に贈ったという逸話もあり、ギフトバスケットや寄せ植えにして贈り物にするのにも最適です。少しもったいない気もしますが、お花を切り取り、水を張った器に浮かべるとまた違った美しさを楽しめます。
庭植えは落葉樹の下のような真夏だけ半日陰になる場所がベストですが、一年の間ずっと日陰よりも日当たりの良い方が花付きは良くなります。
常緑樹の下に植える場合は冬の日射しが入り込む東側や南側に植えるのがベターです。花つきは悪くなりますが逆に他の植物があまり育たない乾いた日陰でも育つのでそのような場所にあえて植えることもできます。日陰で早春にあれだけ大きく華やかな花を咲かせる植物はそうありません。鉢植えなら夏場だけ日陰に移動するのがおすすめです。
【育て方のコツ】
育てるポイントは水やりと植え方です。過湿を嫌うので水やりは土が乾いてから与えます。夏は早朝や夕方など涼しい時間に与えます。
植え替え適期は10月頃です。腐った根や古い根を落とし少し浅植えにします。そうすることで株元の通気がよくなり蒸れや過湿が軽減します。
また、この時期は株分けにも適期です。カッターやはさみなどで切り分けます。ウィルスが入ることがあるので、刃物は火であぶるか市販の消毒薬を使い殺菌して使用しましょう。株分けの詳しい方法や肥料、用土などについてはFFCパビリオンスタッフにお尋ねください。
クリスマスローズを育てるのは意外と簡単です。ちょっとしたコツを掴めば一株で50輪、100輪のお花を数年で咲かせることができます。まだ育てるのが難しいと思っていらっしゃる方もこの機会に一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
パビリオンでは12月から翌年4月頃まで「眉引き」や「うすぎぬ」「よそおい」などのアカツカオリジナル品種をはじめ、クリスマスローズをたくさん取り揃えています。様々な種類がありますので、この機会にぜひお気に入りの一鉢を探してみてはいかがでしょうか。
また、レッドヒルにはアカツカオリジナル品種を中心に園内のあちらこちらにクリスマスローズが植栽されています。ご興味のある方はこちらもぜひ一度ご覧下さい。
文/工藤 一成
【アカツカFFCパビリオン】
アカツカFFCパビリオンは、三重県下最大級の総合園芸売店です。
洋ランや鉢花、観葉植物、切花、草花や野菜の苗、ハーブなど園芸植物のほか、鉢や土、肥料などの園芸資材、お花に関するグッズなど幅広く取り扱っています。
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