星澤幸子の和食のチカラ 2025年3月- 4月 春のパーティーメニュー
ご家族、友人とのホームパーティーがこのレシピで盛り上がる
桜の開花とともに、春の訪れを実感する日々が続いております。
私事で恐縮ですが、3月21日に、赤塚植物園さんの研究栽培農園、鈴鹿の森庭園に伺って、じつに見事なしだれ梅を見せていただきました。例年ですと、ほぼ梅は散っている時期だそうですが、今年は気温が低い日が続いたため、咲き始めが遅れ、訪問した時になんと満開。ライトアップされたしだれ梅の絶景に思わず息をのみました。高度な剪定の技術の積み重ねによって数十年以上もかけて、育て上げられたしだれ梅の姿には、畏敬の念と感動を覚えました。
花や草木など自然の変化によって、季節の移り変わりを感じることができる日本に生まれ暮らしている幸せを再確認できた旅でした。
春は、卒業や入学、就職や転勤とみなさんが人生の節目を迎える季節です。家族のだれかのお祝いなどで、ホームパーティーの機会も増えることと思います。今回は、そんな際に重宝するレシピをご紹介しましょう。
まずひとつめは、「ローストポーク」。豚の塊肉にオーブンなどでじっくりと火を通した、ドイツの南部地方やオーストリア、スイスの伝統的な料理です。ドイツではソースにビールを使うそうですが、今回は、肉の旨味が出た焼汁におろしタマネギ、しょうゆとみりんを加えた和風ソースでいただきます。ローストビーフと違って、じっくりと、そしてしっかりと火を通すことが重要ですが、あまり手間はかからず、ご家庭で美味しくできるハレの日のご馳走メニューです。
ふたつめは、彩りが春を思わせる「お花畑のドームケーキ」です。市販のカステラと季節のフルーツを使って作るケーキで、豪華で華やかなルックスからは想像できないほど簡単に作ることができます。お料理のレパートリーに加えておけば、いざというときのおもてなしにも使える、お役立ちレシピです。
ご家族、友人との楽しいひとときが盛り上がること間違いありませんので、どちらも、ぜひお試しください。
このページでご紹介するレシピ
ご馳走ポークを和風のソースで
ローストポーク

【材料】(作りやすい分量)
豚肩肉ブロック 400g
塩、コショウ、てんさい糖 各少々
油 大さじ1杯
酒 大さじ3杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
タマネギ 1個
付け合わせ野菜 適量
(ブロッコリー、ミニトマト)
【ソース】
肉の焼汁 大さじ3杯
しょうゆ、みりん 各大さじ2杯
タマネギ 1/2個

【作り方】
- 豚肉に塩、コショウ、てんさい糖をふってよくもみます。
- フライパンに油を熱し、豚肉全体に焼き色を付け、周りにタマネギのくし切りを並べます。お酒とパイロゲン・キャップ1杯をふって、フタをして弱火で20分蒸し焼きします。
- 焼けたらラップにくるみ、冷めるまで置いてから、薄く切って器に並べます。
- フライパンのタマネギを取り出して、おろしタマネギを加えて火を通し、調味料を加えてひと煮立ちさせソースを作ります。肉を取り分ける時にかけていただきます。

塩、コショウ、てんさい糖をふって、手でよくもみこむ。

豚肉全体に焼き色がついたら、お酒、パイロゲンを加えて弱火で蒸し焼きに。

肉のうまみが出た汁に、おろしタマネギとしょうゆ、みりんを加えてひと煮たち。
春を思わせる彩りの簡単デザート
お花畑のドームケーキ

【材料】(1台分)
キウイフルーツ 1個
みかん又はオレンジ 1個
イチゴ 4個
カステラ 200g
生クリーム 200g
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)

【作り方】
- キウイフルーツとミカンは皮をむいて5mmほどの厚さの輪切りにしますイチゴもヘタを取って同様に切ります。また、それぞれ4分の1から2分の1の分量は、5mm程度の大きさの角切りに。
- 小さめのボウルに果物の輪切りを彩りよく、ドーム状に張り付け、残った分は粗く刻みます。
- 泡立てた生クリームは飾り付け用に少し残し、粗くほぐしたカステラに、生クリームと果物、パイロゲンを混ぜて、ボウルの内側に丁寧に隙間なく入れて押さえます。
- 返して皿に盛り、残しておいた生クリームで飾り付けて切り分けていただきます。

果物をあらかじめ切りそろえておく。

輪切りにした果物を、全体の彩りを考えて貼り付ける。

荒くほぐしたカステラに、生クリームと果物を混ぜる際に、パイロゲンも忘れずに。

皿の上で、カップを返して静かに外す。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com