星澤幸子の和食のチカラ 2024年9月- 10月 星澤流かんたん居酒屋メニュー
秋の夜、我が家の食卓が居酒屋さんに
秋の訪れとともに、過ごしやすい気温の日々が続いております。キンキンに冷えたビールよりも日本酒の熱燗が恋しい方も多いのではないでしょうか。私もお酒は好きなほうで、居酒屋などで、親しい友人とおいしいお料理をつまみながら楽しく語らい、盃を重ねるのは至福の時間だと思います。
私の暮らす札幌市には、ススキノという大歓楽街があり、日々、美味しいお酒とお料理を求めて、地元の方はもちろん全国、全世界から人が集います。当然のごとく、素敵な居酒屋さんも数えきれません。
居酒屋は日本独特の飲食店であり、ビールや日本酒、焼酎、サワーなど様々な種類のお酒と和食を中心としたバリエーション豊かなお料理が楽しめます。そしてオーダー次第では、野菜やお魚中心のヘルシーな食事も可能です。
江戸時代に、お酒の量り売りをする酒屋の店内でお客さんに飲ませるようになり、そこに徐々に酒の肴を提供するようになったのが、居酒屋の始まりと聞いたことがあります。酒屋に「居続けて飲む」ことから「居酒(いざけ)」という言葉ができて、お酒を売るだけの酒屋と区別するために居酒屋と呼ばれるようになったのだとか。
今月は、お家で居酒屋気分を味わえるような、そんな星澤流レシピをご紹介します。
ひとつ目は、旬のナスを使った「焼きナスの甘辛タレ黄身添え」。
食物繊維やカリウム、葉酸、さらには皮にポリフェノール豊富なナスは、「秋茄子は嫁に食わすな」と言われほどこの時期のものは美味しく、今回は甘辛いタレと卵黄でいただきます。ポン酢や醤油で食べる焼きナスとはひと味違った、しっかり味の居酒屋メニューを思わせる仕上がりです。
次は、「豚のカリッと春巻き」です。
疲労回復や健康維持に欠かせない、たんぱく質やビタミンB群が豊富な豚肉を青じそと巻いたカンタン春巻き。使う油も少ないので、揚げ物とはいっても後の処理はラクラクです。
どちらも、少ない素材で手軽に調理できるおつまみメニュー。時には、ご家庭の食卓で、「居酒屋さん」はいかがでしょうか。
このページでご紹介するレシピ
ピリ辛ユッケ風
焼きナスの甘辛タレ黄身添え
【材料】(2人分)
ナス 中4本
【調味料】
めんつゆ(ストレート) 大さじ2杯
豆板醤、ゴマ油、てんさい糖 各小さじ1杯
塩 少々
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
白ゴマ、万能ネギ 各適量
卵黄 1個
【作り方】
- ナスは魚焼きグリルで10分ほど焼き、皮をむきます。
- ボウルに調味料とパイロゲンを合わせ、❶のナスを入れて15分ほど漬けます。万能ネギは小口切りにします。
- 器に❷のナスを盛りつけ、白ゴマと万能ネギをふり、その上にそっと卵黄をのせていただきます。
食感と風味がクセになるシンプル春巻き
豚のカリッと春巻き
【材料】(10本分)
豚こま切れ肉 300g
粒マスタード 大さじ2杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
塩 少々
青シソ 20枚
春巻きの皮 10枚
水溶き小麦粉 適量
【作り方】
- 豚肉に粒マスタード、パイロゲン、塩をして下味をつけておきます。
- 春巻きの皮を広げ、青シソ2枚を置き、上に1/10量の豚肉を広げます。両端を中に折りこみ、手前からくるくると巻き、巻き終わりに水溶き小麦粉をつけてとめます。同様に、全部で10本作ります。
- フライパンに少し多めの焼き油を熱し、巻き終わりを下にして入れ、転がしながらゆっくりカリッと揚げ焼きにします。
- キッチンペーパーにあげて、油切りしていただきます。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん
料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com