体が温まる冬の和食

星澤幸子の和食のチカラ 2020年11-12月 お米とタラ


日一日と寒さがつのり、本格的な冬の到来を感じさせます。

この時期は、和食で温まりましょう。和食の良さはなんといっても、低脂肪でヘルシーなところ。今回ご紹介するレシピは、ヘルシーな上に簡単で美味、ぜひお試しください。

タラは「魚へんに雪」と書きます。まさに冬を感じさせる魚です。低脂肪かつ高タンパクであることで知られるタラ。
今回は見た目と栄養を考えて、卵白に大根おろしを加えて蒸しました。淡白なタラの味が引き締まって美味しくなりました。卵の黄身のソースもしょうゆと混ぜるだけ、簡単でいて栄養豊富な冬のご馳走に仕上がりました。

「だまこ」とは、秋田県の郷土料理で、きりたんぽのように、炊き上がった米をすりつぶし団子状に丸めたもの。鍋に入れるだまこ鍋が有名ですが、今回はお汁にしてみました。

古来、日本人は稲を育て、米を国の文化の中心としてきました。「元気」の「気」という漢字も本来は「氣」。米がしっかりと入っています。
だまこ汁で、温まって元気を出し、今年の冬を乗り切りましょう。

このページでご紹介するレシピ


見た目も美しいタラのご馳走
タラの淡雪蒸し

【材料】(2人分)
タラ 2切れ/塩、コショウ、酒 各少々/片栗粉 少々/ショウガ 1片/卵黄 1個/しょうゆ 小さじ1杯/卵白 1個/大根おろし 大さじ4杯/パイロゲン キャップ1杯/青のり 少々

【作り方】

  1. タラに塩、コショウ、酒を振りかけて15分ほど置いて片栗粉をまぶします。深皿にタラをのせ、上からも片栗粉を振りショウガの千切りをのせます。
  2. 卵は卵黄と卵白に分けておきます。卵黄にしょうゆを加えて混ぜ、タラに均等にかけます。
  3. 卵白に塩少々を入れて固く泡立てます。さらに大根おろしとパイロゲンを加えて軽く混ぜ、タラの上に均等にのせます。
  4. フライパンに1㎝ほどの湯を入れ、キッチンペーパーを敷いて器を入れます。フタをして強火で10分程ほど蒸します。
  5. 皿に盛り、青のりをあしらいます。

しょうゆを混ぜた黄身ソースはタラに均等に。

淡雪の仕上げはパイロゲンで。

蒸し器ではなく、フライパンで大丈夫。

お米のヘルシーお汁で体ポカポカ
だまこ汁

【材料】(4人分)
ご飯 2膳/大根 200g/ニンジン 50g/干しシイタケ 2枚/小揚げ 2枚/長ネギ青身 1/2本/油 大さじ1杯/水 カップ4杯/パイロゲン キャップ1杯

【調味料】
しょうゆ 大さじ2杯/みりん 大さじ1杯

【作り方】

  1. ご飯は温かいうちに、すりこぎ棒で粘りが出るまで潰し、ひと口大に丸め、「だまこ」を作ります。
  2. 大根・ニンジンはいちょう切り、小揚げは湯通しして横半分の千切り、干しシイタケは戻して薄切りにします。
  3. 鍋に油を熱して大根・ニンジン・干しシイタケを炒めます。分量の水、小揚げとパイロゲンを加えて火を通します。
  4. 調味料と「だまこ」を加えて味がしみるまで5分ほど弱火にかけます。器に盛って長ネギの青身の小口切りをあしらいます。

ご飯は粘りが出るまでつぶしましょう。

パイロゲンはお汁に火を通す前に。

弱火で、「だまこ」に味がよくしみるまで。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌