星澤幸子の和食のチカラ 2020年1-2月 黒豆・リンゴ
おせち料理の定番のひとつ、黒豆煮。作りすぎて「まだ冷蔵庫に」というお宅もあるかもしれません。
黒豆はタンパク質、カリウム、鉄分、食物繊維を含んだ栄養豊富な食材です。さらには、皮の部分にポリフェノールの一種、アントシアニンが含まれており、疲れ目を改善する効果とともに、血糖値の上昇を抑えることもわかってきています。「お正月しか食べない」ではもったいない素材です。
また、冬の果物の代表、リンゴもまた、皮に近い部分に豊富にポリフェノールを含んでいます。リンゴポリフェノールはコレステロール値を下げたり、病気や老化の原因にもなる活性酸素を抑える働きがあります。さらに、紫外線による肌の老化を防ぐという効果も報告されています。
昔から「1日1個のりんごは医者を遠ざける」と言われますが、ポリフェノール以外にも、クエン酸などの有機酸、カリウムやペクチン(整腸効果が期待できます)などの栄養成分があり、体にうれしい果物です。
ポリフェノールは加熱に強い栄養素。日々のお料理に上手に取り入れて、家族の健康を守りたいものです。
このページでご紹介するレシピ
おかゆに黒豆のトッピングで健康的な一品に
黒豆がゆ
【材料】(4人分)
米 1合/水 カップ7杯/黒豆煮 カップ1/2杯/小松菜 1株/たくあん 30g/塩 小さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯
【作り方】
- 炊く30分前に米を研ぎ、分量の水を入れ、炊飯器のおかゆモードで炊きます。
- 小松菜は水に浸してパリッとさせてから粗みじん切りにし、漬物も同様に切ります。柚子は皮を薄く剥いて千切りにします。
- おかゆに小松菜を加えて混ぜ、色鮮やかになったら汁気を切った黒豆と漬物、パイロゲン、塩を加えて混ぜて器に盛り、柚子をあしらいます。
お子さんも大喜びのヘルシーデザート
キャラメルリンゴのデザート
【材料】(4人分)
リンゴ 4個/砂糖 80g/バター 大さじ2杯/粉寒天 小さじ1杯/水 カップ2/3杯/砂糖 大さじ2杯/パイロゲン キャップ1杯
【作り方】
- 鍋に分量の水と砂糖、粉寒天を入れて5分程置きます。リンゴは所々皮を残してむき、8等分のくし形にして芯をとります。
- フライパンにバターを溶かして砂糖を入れて、火にかけ、きつね色に焦がします。
さらにリンゴを加えてからフタをして、やわらかくなるまで煮て型に並べます。 - 粉寒天を火にかけて一度沸騰させて煮溶かし、リンゴを煮たときにできたキャラメルと砂糖、パイロゲンを加えます。
- 並べたリンゴに寒天液を流し入れ、固めます。固まったら器に移して切り分けます。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん
料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com
レシピ撮影/大滝恭昌