知って食べればもっとおいしい――お米の雑学
日本人の主食として君臨するお米。そのおいしさや栄養だけでなく「知識」も吸収すれば、もっとお米が好きになるはず。そこでお米に関するあれやこれやの雑学を集めました。
Q 「新米」ってどのお米のことを指す?
「新米」と表示していいのは、収穫された年の12月31日までに精米されて包装されたお米だけです。例えば平成30年の場合、平成30年12月31日までに精米・包装されたお米が新米になります。
お米の収穫時期は、地域や品種でも異なりますが、一般的には秋の9月~10月頃。早いものでも8月初旬くらいです。そのためお米が「新米」として店頭に並ぶのは、収穫してから、翌年の1月から春にかけての短い期間になります。
Q 「米」という漢字の由来は?
田を耕し、水を張り、苗を植え、害虫を駆除し――お米づくりには多くの手間がかかり、収穫するまでに88もの作業をしなければならないと言われています。そして「88」は漢字で「八十八」、これを縦に並べてひとまとめにして 「米」という字になったのです。この漢字には農家の方々の思いも表現されているのですね。
また、同じように「八十八」を由来として、毎年8月8日、さらに毎月8日は「お米の日」とされています。
Q 江戸っ子は大食漢!? ひとりで1日5合を平らげた?
その昔、江戸に暮らす人たちはみな、お米をたくさん食べていました。江戸ではお米の流通システムが整備されていたため、一般庶民でも精米した白米を食べることができました。そのため「白米を食べられること」が江戸っ子の喜びだったのです。
しかもその量が半端ではありません。当時の成人男性はなんと、1日5合ものお米を食べたと言われています。当時は1日2食が普通だったことを考えれば、1食で2合半のお米を食べていた計算に。江戸っ子はみな想像以上に大食漢だったのです。
その分、おかずは漬物くらいのもので、質素な「一汁一菜」が基本だったため、たくさんのお米でエネルギーを補給していたのでしょう。
一方で、精米された白米ばかり食べてビタミンB1が不足しがちだった江戸っ子の間では脚気(かっけ)が蔓延。脚気は『江戸わずらい』『江戸の奇病』とも呼ばれました。
Q ごはんを「シャリ」と呼ぶ理由
お寿司屋さんが使う符丁(独特の呼び名)で、寿司の白飯や酢飯を指す「シャリ」。漢字で書くと「舎利」となります。この言葉は古代インド語(サンスクリット語)で「遺骨」を意味する「sarira(シャリーラ」に由来しています。
お釈迦さまが亡くなって火葬されたのちに残った粒状の遺骨(仏舎利)の色や形が白米に似ていたことから、白米を「シャリ」と呼ぶようになったとされています。
Q お米の品種、カタカナと平仮名の違いは?
お米の品種名に「コシヒカリ」「ササニシキ」などカタカナの名前と「あきたこまち」といったひらがなの名前が存在します。
その理由はかつて、「国の指定試験場で育成された品種にはカタカナ」「都道府県が独自に育成した品種にはひらがな」で名前をつけるというルールがあったため。しかし現在はそのルールが撤廃され、自由に名前をつけることが可能になっています。以前は育成者が命名することが多かったのですが、最近では「ゆめぴりか」のように公募によって決められるケースも増えています。
Q お米には「賞味期限」が表示されていない理由
お米の袋には賞味期限が書かれていないことに気づきませんか?
「賞味(消費)期限」の表示は加工食品に対して義務付けられているもの。お米は精米加工されてはいますが、法律上は野菜や果物と同じ農産物になるため、賞味期限の表示義務がないのです。その代り、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)で、お米には「精米加工された年月日」を表示するという決まりがあります。
お米をおいしく食べられる期間は、保存環境にもよりますが、春夏は精米してから約1カ月、秋冬は精米してから約2カ月とされています。
Q ワインはソムリエ、日本酒は利酒師、お米は――
お米の世界にも、幅広い知識と経験を持ち、その魅力を広く伝える〝専門家〟がいます。それが「お米マイスター」と「ごはんソムリエ」です。
お米マイスターは、日本米穀小売商業組合連合会が認定し、お米に関する深い専門知識と豊富な実践経験を認められたお米屋さんに与えられる〝お米博士〟の称号とも言える資格です。
一方、ごはんソムリエは日本炊飯協会が認定し、お米の産地や品種などに加えて、上手な炊き方や栄養に関する知識など、ごはんをおいしく食べるための知識や技術を持った専門家のこと。 こちらはお米屋さんでなくても取得できる資格です。
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