着ているだけで癒される!
和歌山県は大正時代、メリヤス生地、防寒肌着の特産地だった。現在でもニットの国内シェア率NO.1を誇る和歌山県に江川ニット株式会社(現在:(株)シムス)を訪れた。
繊維産業には様々な工程がある。それに伴い精密機械のメンテナンスも大変だ。我々がまず注目したのは、丸編み機にスプレーされている霧。霧はもちろんFFC処理水。なぜ、機械に霧を吹くのだろうか?
(株)シムスの江川将示専務に聞いてみると、それは何と「化学薬品の悪影響を軽減するため」だという。つまり、機械のメンテナンスに使われる潤滑油や化学薬品が繊維に移ってしまい、それが、アトピーやアレルギーの原因になってしまう。それを、FFCウォーターで緩和しようというもくろみだったのだ。
日本の繊維業界で初めての快挙!
最近は、天然成分などを使って抗菌や消臭機能を持った衣服も出回るようになった。しかし、そういった天然成分を繊維に固着させるために化学薬品が使用される。そのため、薬剤がどうしても残留してしまう。
今まで抗菌防臭性、消臭性等の機能を持たせる基準に合格したり、院内感染の原因として問題になっているMRSAなどの菌の増殖を抑制・消滅させる基準(SEK基準、抗菌/滅菌)に合格した繊維であっても、同時に厚生省の残留ホルムアルデヒド濃度0.05 A-Ao以下の基準に合格するものはなかったという。
「薬品が残留しているものは生後24ヶ月未満のベビー用品には使用が禁止されている」から、そういった繊維はベビー製品には使えないことになる。
ところが、FFC処理をした繊維は、SEK基準(抗菌/滅菌)に合格し、同時に厚生労働省令34号の残留ホルムアルデヒド量測定にも合格した。過去には有り得なかった事が実現したのだ!赤ちゃんが最も安心して着られる服がFFCの活用で誕生してしまったのである。
(財)日本紡績分析協会による試験結果は次の通りだ。黄色ブドウ球菌の殖菌試験で、培養前の生菌数15,000個だったのが、一般加工された布の上では1千400万個に増加したのに比べ、FFC処理した布では、何と20個以下になってしまった。肺炎桿菌やMRSAでも同様の結果だった。(MRSAでは、一般加工の布が1千万個に対してFFC処理した布は40個だった)
その他、消臭試験、防汚試験(どれだけ汚れがつきにくいか)、帯電性試験なども行われたが、いずれも基準値をクリアし素晴らしい結果が出た。
「着ているだけで、血流が良くなる、肩こりが解消される、疲れない、若返る、肌がきれいになる」という下着があったら? 想像しただけで楽しい!