FFC活用で驚異的に生存率が向上!
愛媛県でマダイの養殖業を営んでいる浦安水産。FFCに出会う平成12年以前は、病気の発生を防ぐため、やむなく1日数kgの薬剤を投与していた。
しかし薬の効果はあまりなく、経営的にもやる気を失い廃業を決意したこともあったという。故郷の海が薬で汚れ、生物が次々に消えて行く現状を憂い、出荷した魚を食べる消費者の健康も気にしていた浦安さん。そんな中FFCと出会い、不可能と思われていた安全・安心を届ける「夢の無投薬養殖」が実現したのである!
浦安さんが苦労の末、確立した「無投薬養殖」を可能にする手法とは、手のひら大に育ったマダイの稚魚を、陸上水槽で「FFC処理」するという画期的な内容だった。
水槽にはFFCセラミックスを入れ、海水をFFCウォーターに転換させる。稚魚はこの水槽で一昼夜置かれるのだが、驚くべき事に水槽はビニールシートで蓋をして「マダイを酸欠状態に」してしまう。
本来なら2~3時間で窒息死してしまうところが、翌朝になっても稚魚たちはいたって元気で、ほぼ100%が生きて海のイケスに移される。
FFCがもたらした経済効果には目を見張るものがあり、なんと飼育段階の死亡率が10分の1以下に減ったのである!
地球温暖化の影響か瀬戸内海も毎年水温が1℃ぐらいずつ上昇しつづけ、2008年の夏は27℃を記録。
これまで出たことがなかったウィルスが養殖場をおそった。
他の養殖場から稚魚の7割以上が死滅との連絡が入るなか、浦安水産では稚魚の4割が被害を受けたが、3~4年物のタイには被害が無かった
蘇りつつある岩城島の自然を実感!
「無投薬養殖」の実現だけでなく、ふと気付くと周辺の自然環境にも変化が見られた。FFC処理後、養殖に利用した海水を海に放流する排水管周辺には、以前までは見られなかったワカメ・カジメなどの海藻が繁茂し始めた。さらに、排水が流れ出す流路に沿って、干潟に海草のアマモの大群落が出現した。
2004年、生物多様性の復活は本格的となり、養殖イケスの周りは逃げる小魚と追う大型魚が出会う場になって、40年振りに魚の群れで海面が盛り上がる「魚島」が見られるようになったという。
FFCは環境回復の小さなスイッチを入れ、自然はこれに確実に応えている。