FFC活用で生命あふれるカキが出現!
平成10年、広島県の海に特殊な赤潮が発生し、カキが壊滅。水産業が打撃を受けた。犯人は「ヘテロカプサ・サーキュラスカマ」という名のプランクトン。
多くの漁業者のカキが壊滅する中、(有)マルムラ美野水産のカキだけは無事に育ち、例年に近い収量を記録。フィランソの小積忠生さんとカキ養殖の美野富雄さんがFFCを活用した結果である。
二人が試行錯誤の末に辿り着いたFFCの活用法は、その後カキ養殖以外の魚も含めた様々な養殖に応用され全国に広まった。まさにFFC水産部門の草分け的存在。
養殖の基本は、カキが稚貝の時に一度船に上げ、FFCセラミックスで処理した海水につけ、カキの体質を改善すること。それによって"殻がポッコリと深く、見た目よりずっと身が大きいカキ"が出現。その結果、剥き身を出荷する作業「カキ打ち」の効率がグーンとアップ。
同じ数のカキを剥いても、実質生産量が他社と比較して多くなり経営的に安定した。歩合給の作業従事者にとっても嬉しい増収。美野さんのカキは美味しく、鮮度保持が良く消費者の人気の的。
宅配産直販売も好調。FFC導入によってカキの成長スピードもアップ。これまでは出荷するまでに2年間待たなければならなかったのが、導入後は1年3ヵ月でOK! 今、全国の水産業者の注目を浴びている。
FFCの活用と日々の研鑽が結果を生む
生命力溢れるカキを育てるには、FFCは必要不可欠な存在。地球温暖化や異常気象による被害も日々の対処によって逆境を乗り越えることができる。
美野さんは80台のカキ筏を所有している大規模業者だが、日々のメンテナンスを欠かす事はない。普段から筏の修理をこまめに行い、さらに通常4~5年使用する筏を3年で新品に取り替える。こうした努力がカキを被害から守っていく。FFCを活用しながらもそれだけに頼るのではなく、日々の研鑽が美野さんにカキ養殖の好成績をもたらしている。
「真面目に探求すると、カキは本当に面白い!」。美野さんが心に刻み込んでいる言葉がいい。尊敬する父、政次さんの「七転八起 希望は大きくもて 希望なくして実現なし 最後まであきらめるな 海に感謝」。美野水産はさらに発展していくことだろう。
大きく膨らむ。